多くの方の尊い命が失われた東日本大震災から、間もなく5年が経とうとしています。
未だ震災の傷のすべてが癒えたわけではありませんが、たくさんの方の努力により東北地方には再び活気が戻りつつあります。
津波で流された家や施設も順調に再建が進んでおり、震災後、仮設住宅暮らしを強いられていた方たちも、少しずつではありますが、自分たちの暮らしを取り戻しつつあるようです。
まだまだ先は長いですが、徐々にその役割を終えつつある仮設住宅。
宮城県では、それらの仮設住宅を、介護施設や倉庫として再利用する話がまとまったようです。
震災から5年が近づき被災者の住まい再建が進む中、宮城県気仙沼市と仙台市で使われなくなったプレハブ仮設住宅を、民間団体が譲り受けることになった。仮設住宅は建設コストが上昇しており、「使い捨て」にせず有効活用したいと、県が譲渡先を探していた。岩手、宮城、福島3県で、無償譲渡が実現する初めての例となる。
震災後に建設された仮設住宅は約5万3千戸と言われています。
多くの被災者の生活を支えてきたこれら仮設住宅ですが、復興が進むにつれ、空き室が目立つようになってきました。
被災者の方たちが自分の生活を取り戻し、仮設住宅を離れていくことは大変喜ばしいことですが、問題は不要になった仮設住宅の扱いです。
仮設住宅を解体・処分するのにも莫大なコストがかかります。そのため宮城県をはじめとした被災地では、仮設住宅を再利用する計画が進められていました。
今回の決定もそうした流れの中の一つといえるでしょう。
民間団体に譲渡された仮設住宅のうち、気仙沼市の2棟は通所型の介護施設として再利用されるそうです。
震災後、被災者たちを支えてきた仮設住宅が、今度は高齢者たちの生活を支える介護施設として利用される。
素晴らしい話だと思います。
他の仮設住宅についても、何らかの形で有効活用できるとよいですね。